2013/10/14

遠出した時のハゼの持ち帰りと処理について

『良型を数釣りたい』
たいていの釣り人は、こう思って釣り場に向かうと思います。
そしてその為には、ここぞと思う遠いところまで足を運ぶ事もあると思います。
でも、思い通りの釣果をどっさり持ち帰っても、長時間の釣りで魚が痛んでしまっては何の為の釣りだったか、がっかりされた経験をお持ちの方もあると思います。
僕も何度もこう言う経験をして来ました。

では、遠出でハゼを良い状態で持ち帰り、良い状態で保存する為にはどうすれば良いのでしょうか?
僕なりの方法を書いてみますが、必ずこうしている訳ではありません。
でも、できるだけ良い状態で持ち帰る努力は惜しんでいないつもりです。
但し、せいぜい1泊までの方法しか知りません。

全工程を通してのキーポイント
* 水に濡れた状態を徹底して避ける。
(ブクブクを使ったり、イケス=バッカンに入れて生かしておく場合は勿論例外です。)
良くバケツに水を入れておいて、釣ったらとりあえずここに入れる方がいますが、生かしておくのならきっちりエアレーションで酸素を供給しましょう。それをしないなら、元気な内にクーラーに入れましょう。
また、クーラーに入れる時は、ビニール袋に入れれば良いですが、何匹も濡れたまま入れると、ビニール袋の中が水浸しになってしまいます。これも非常に魚を痛めますので、水はよく切ってから(ビニール内に水が溜まり気味な時は、さっと水分をぬぐってから)いれましょう。
氷を直接クーラーに入れて、そこに直接魚を入れるのも避けて下さい。
海水魚で、この方法を取る場合もありますが、この場合は溶けた水の塩分濃度を海水程度に保つ必要がありますので、素人には難しく手がかかります。

* 低温を保つ。
生きている者には体温があります。これを下げてやる事で、酵素反応&化学反応を極力抑える必要があります。
これは、捌いている間も気を使って下さい。魚を素手で触る時間をできるだけ短くし、触る範囲も極力必要限にとどめて下さい。
ちなみに、プロの料理人は、料理をする時には手の温度が自然に下がるそうです!

1:釣り方
ハゼ釣りの場合、ほとんどの方が気を使っておられるようですが、とにかく針を飲まれない事!
飲まれたハゼは、すぐにクーラーにいれましょう。
僕は完全スレ針を使う腕はありませんので、半スレ針を使用しています。
とにかく、魚へのダメージを最小限に!
2:釣り終わりまで
刺身を目的とする場合には、家に帰っても生きている必要があるので遠出の場合には、大型のイケスでブクブクを続ける事ができないとちょっと難しいですね。
ハゼは、死んでから死後硬直まで、そして硬直が解けるまでが非常に短い魚のようです。
家に帰って捌く時点で死後硬直が解けていると、内臓に存在する菌が増殖し、ハラワタがグズグズになり始めているので、最低限これが起こらないようにしましょう。
僕は、釣り上げた際に魚にダメージが無いものは、大抵の場合バッカンに入れて帰る間際まで生かしています。(移動が激しい釣りなので、とても負担になります。)
途中、浮いてパクパクしている個体はすぐにクーラーに入れましょう。
3:帰り仕度
とにかく水分を極力よく切ってビニール袋に入れましょう。
大量の時に、小さいクーラーボックスだと魚が折り重なって下の方の魚体に負荷がかかり身質が落ちますので、クーラーの大きさと、リリースの足切りサイズの設定が重要ですね。(良く失敗しますが・・・)
あとは、保冷剤が効いているかどうかです。
遠出の場合には、途中コンビニで氷を補充する方が無難ですね。

さあ、これで良い状態で家に持ち帰りました。
遠出で疲れた身体には、ここからが一番しんどい時間です。
しかし、せっかくの釣果ですから身体にムチ打ってでも、ここまでは絶対に終わらせましょう!

ヌメリを取り、ウロコを取り、頭を落として、内臓を取って綺麗に洗う・・・
ここの工程は以前の記事を見て下さい。
また、甘露煮や焼干にする場合には、頭を落とさずにハラワタを取り、エラを取り去って下さい。(エラの中は雑菌の住み家だそうです。)
その後、冷蔵庫に入れる訳ですが、よく絞った濡れ布巾でお腹の内部まで水分を完全にぬぐい去っておいて下さい。・・・濡れていると浸透圧の問題で身がどんどん劣化します。

ここまで終わったらお休みなさいの時間です。
昔は、捌き終わったら夜が明けかけていた・・・なんて事もありました。

この状態なら翌日、最悪翌々日でも、最終仕上げが可能です。
三枚卸しや、開きをした後に、一日分ずつに分封して冷凍保存して下さい。(僕の場合、半年は問題なく保存しています。)
味醂干し、一夜干しも、この時点で行い、その後冷凍保存が可能です。

尚、味の変化ですが、刺身の場合は活けものと死後硬直が起こってからのでは、まるで違います。身の透明感もさることながら、活けもの独特の身のプリプリ感はヒラメと比較される程に素晴らしいと思います。

一方、過熱する場合には、この両者の状態に味の差は感じた事がありません。また、死後硬直のものの方が、はるかに捌き易いです。
しかしながら、死後硬直が解け始めたものは、内臓の食べ物の腐敗が始まっており、その個体の住んでいた環境や食べ物にもよるでしょうが、かなり臭みを感じる事が多いようです。

独断と偏見で、断定的な文章になっていると思います。
『いや、もっとええ方法がある』
『それは、間違ってるぞ!』
・・・と思われるところがありましたら、是非ともご教授下さい!

また、魚の鮮度について、良く判るサイトがありましたので、紹介しておきます。

8 件のコメント:

  1. ピケさん、こんばんは!
    永久保存版の内容を掲載していただきありがとう
    ございます!
    これで心置きなく遠征ができます(笑)
    まずは、ざっと拝読させていただきましたが、生、スピード感、
    水分除去等いろいろキーワードがありますが、なんとかピケ
    さんからもらったアドバイスを自分なりに消化して実践に
    つなげたいと思います。

    ピケさんの手際、よかったからなあ~。
    最近は、捌きのレベル(スピード、質)をアップさせるために、
    無駄に何でもまずは三枚におろしています!(笑)

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    1. ななさん:
      は~い、こんばんわ
      できるだけ要点をまとめようと思ったのに、なんだかだらだらと長い文書になっちゃいました。修行が足らん(汗)

      間違った事は言ってないと思いますが、たいそうに考え過ぎてる部分はあるかも知れません。
      要は愛情を持って扱えば良いのかな!?

      仕事が忙しそうですね・・・気温の変化も大きいので、体調管理には気をつけて下さいね!

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  2. プリントアウトして製本して野田阪神駅前で配りたいです。

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    1. 髭地蔵さん:
      ありゃ!?
      これお笑のネタとはちゃいますで(汗)

      真面目に書くのん恥ずかしですやん(赤面)

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  3. いや~あ、勉強になりました!
    随分やっちゃイケない事してました(笑)

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    1. 元単さん:
      ほんまですか~、そう言われると・・・恥ずかしいですやん!
      ちょっとはお役にたちますかー???

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  4. ピケさん、こんばんは!

    また読み返しています!
    奥が深いというか、オフ会でまじかでみた
    ピケさんの捌きを思い出しながら読んでいます。

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    1. ななさん:
      は~い、こんばんわ

      ありゃ、そう言って頂けるとうれしいです。
      ・・・が、お恥ずかしいです。
      もっと読み易く整理すれば良かった(汗)

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