2021/03/29

♪ ピケ’s キッチン ♪

 Baccalà mantecato alla Veneziana

(ヴェネツィア風干しタラのマリネ)

左から
ピンクペッパー
プレーン
バジルソース
 本場に行くと、一杯飲み屋のおつまみにも、高級リストランテの一皿にも出てくるヴェネツィアで定番の郷土料理です。

 向こうで食べて以来、我が家の冷蔵庫には朝食用に置いてある事が多くなりました。

 本場でも使うのは我々が良く知っている正月のおせちに入っている棒鱈の煮物に使う一匹丸々の干し鱈です。 でも、これを使うと水戻しに時間がかかるし、骨や皮、汚れを取ったりと非常に手間がかかるので、色々工夫をしています。 最近は生のタラの切り身で骨取り済みのもあって、これが一番楽チンでした。 今回はネットで見つけたこんなのを使ってみました。
1)適当にハサミで切って、先ずはたっぷりの水で煮込みます。 本来はこの煮込み中にヘラやスプーン等で身を細かくほぐしながらほとんどの水分を一旦飛ばしてしまいます。 この時にただ一つの味付け素材として少量の塩を入れておきます。
2)今回は、途中で身をほぐすのを手抜きして、水分を飛ばしたものをすり鉢を使って身を崩してみました。

3)次いで、隠し味に白ワインをひたひたに入れて、また煮込んで水分を飛ばします。(たぶん、この工程は僕だけの一ひねりかな?)
4)続いて、普通はミルクを入れて煮詰めるんですが、今回は先日のカレーに使った余りのココナツミルクを使ってみました。(これも誰もやってない?)
5)ほぼ水分を飛ばして少し冷めてから、この料理のキーになっているオリーブオイルを垂らしながら mantecato していきます。 要はただ混ぜるのではなくて、しっかりとオイルを分散させて乳化するのが重要ポイントです!(最も昔のオリジナルレシピでは、ミルクも使わずに水で煮込んで水分を飛ばしたところにオリーブオイルで乳化させただけの非常にシンプルなものだったそうです。現在は例外なくミルクで煮詰めており、更に乳化し易く味も考えてマッシュポテトも混ぜ込む事も良くあるみたいです。)
6)できたら、瓶に詰めて冷蔵庫で保存で2‐3週間は保つみたいです。


反省点:
* 今回使った干し鱈でも充分美味しいですが、生の身を使った場合と同じく、本来の棒鱈に比べると上品であっさりし過ぎです。
* すり鉢を使うと身が綺麗にほぐれ過ぎて野性味に欠けるかな?
* ココナツミルクは可もなく不可もなく、どうって事なかったです。(ココナツの香りや風味を期待したけど・・・) 定番のミルク煮込みで、僕流のラストに生クリームを少量加える方が好みに合ってました。
* 最も判断を要求されるのはラストの煮上げの時で、水分を飛ばし終わる時のタイミングです。 今回はほんの少し水分不足になって、瓶に詰めて冷蔵庫で冷えるとかなりしっかりと固まってしまいました。 ほんとに微妙なんです・・・