ただ新たな写真が無いので、詳しい事は言葉で説明します。
2つの作り方を書いてみます。
丁寧に外観も美しく日保ちするように作るかどうかの差で、味には大差ないと思います。
1) 簡便法
* できるだけ卵巣の袋を破かないように取り出します。
* まな板の上に、今回使う卵巣を全部集めます。(濡れたままで良い)
* 適度に粗塩を振りますが、あくまで味付けだけが目的なので少なめが良いと思います。
* 卵巣が破れないように、潮が全体に均一になるようにさっくり混ぜます、
* 次の行程まですぐでも良いですが、30分くらい塩を全体になじませるとより良いです。
* キッチンペーパーなどの上に全部乗せて、上からキッチンペーパーをかぶせて(量が少なければ、一枚を折り返すだけで充分)、表面の水分を吸い取ります。
* お皿の上に、一個ずつがくっつかないように並べて、ラップも何もせずに冷蔵庫で乾燥させます。
* 適当で良いですが、半日に一度くらい裏表をひっくり返して、均等に乾燥させます。
* 大きさにもよりますが、3日前後でベタベタ感が全く無くなり、皿にもくっつかなくなったら出来上がりです。
☆ 塩加減、乾燥の柔らかさ加減は好みに合っていればそれで良いので、自分の好みにして下さい。 ほとんど乾燥させずに、ハゼの卵の塩辛として食べておられる方もおられるようです。
2) 本格的な仕込(うまくやると1年は日保ちします)
* 卵巣の取り出し:カラスミ用のボラの卵巣を売っているのを見られた事はありますか? 或いは、市販のカラスミは左右二本が根元で繋がっていますが、ここに少し身が付いているのをご存知ですか? 魚の卵巣は、肛門の付近でしっかり身と繋がっており、ここを不用意にちぎってしまうと、そこから中の卵が流れ出してきます。特に塩漬け工程や、乾燥初期に酷くなる事が多いです。 一番安全な方法は、ハゼを捌いてハラワタを出す時に、普通は包丁を使いますが、カラスミを作る時は先の丸みのあるハサミでお腹を肛門に向かって切っていきます。 最後は、赤丸の辺りの身の所をそのままハサミで切り取る事で、結果的に卵巣一対がゴロンと取れて来る結果になります。
* こうして取り出した、卵巣を飽和食塩水に30分くらい漬けておきます。(この方法だと、卵巣の大小による塩分の吸収具合に個体差が出にくいように思います。)
* これを上記の簡便法と同じく、キッチンペーパーで水分を取ってから冷蔵庫で乾燥させます。
丁寧にやっても、いくつかは破れてます |
* 乾燥中に裏表を入れ替えるのは、同様です。
* 簡便法と違い、若干湿り気が残る内に一度塩分抜きと、保存性向上、(そして旨味付与もあるかな?)の為に、日本酒で洗います。 全部浸かる程度に日本酒を入れて30分~1時間程度漬けおきます。(途中で一度塩加減の味見をすると完璧かな?)
* もう一度、キッチンペーパーで日本酒をふき取り、冷蔵庫で乾燥し、全く指に付かない程度になったら出来上がりです。
* しっかりと口をジッパーで閉じれる袋に入れて、できるだけ空気を抜いて冷蔵庫に保存して下さい。 大量に作った時は、小さめの袋に分包した方が食べる時に便利でした。
☆ 2-3か月後が熟成度がベストになり最も濃厚になるようです。 普通のカラスミよりはるかに味が濃くて喉に刺激を感じるくらいです。 半年を超えると、徐々に茶色味が強くなり、味は落ちていくようです。 作り方がまずいと、青カビが発生します。(この青カビをキッチンペーパーで取り去り、もう一度お酒で洗って再保存後に食べた事がありますが、味は良くお腹もこわしませんでしたが、多分僕の強靭無比なお腹やったからやと思いますのでご注意を!)
食べ方
そのままだと歯にくっついて食べにくいので、ボラのカラスミ同様に、薄切り大根に乗っけるのは正解です。 特にハゼのカラスミは濃厚なので、少し刺激を薄める意味でも良いようです。
僕は辛味大根を使うのが好み |
もう一つの食べ方として、突き立てのお餅に乗っけるのも乙なもんです♪
これ用には、やや柔らかめの乾燥具合が合ってる |
歴史?
かなり昔からお江戸では食べられていたようですが、検索しても資料が見つかりませんでした。 10年くらい前に検索した時には、お江戸で2件の飲み屋さんがシーズン中に極少しですが、提供している記事があったのですが、もう探せませんでした。 今もごく例外的に、超高級魚屋さんで気が向いた時に販売されてるお店が1件だけあるようですが詳しくは判りません。 ましてや、築地がなくなった今、もうハゼの卵を卸している店がなくなっているかも知れないですね・・・
早速のカラスミ解説ありがとうございます!!!
返信削除本命は自分で釣ったハゼの卵ですが、魚屋で鯛やら他の魚の卵も(良いのが手に入ったら)試してみたいです。
以前、三重・紀北町の民宿の自家製カラスミ(乾燥してほぐして粒々粉末だった)を食べさせてもらったことを思い出して、それに(気分だけでも)対抗するモノが作れたらな~、と得意の妄想を膨らませています。
ノブの父さん:
削除説明がヘタクソで申し訳ないです。
簡便法はハゼの卵巣が小さいからこそ使える方法ですので、他の魚の場合はしっかりと塩漬けにして、卵巣の中心部まで一旦余分な水分を塩析する事が重要だと思います。 今の時期だと生タラコが良く売られてて、値段的にも漬け込む大きさ的にも手頃なんですが、不思議にカラスミにしてもあのタラコ独特の風味が残ります。
四日市勤務だった頃紀北~紀東方面に良く釣りに行ってました。 場所を忘れましたが、一件道沿いに自家製カラスミ専門店があって、傷物を安く買って帰ったの思い出しました。 形や外観にとらわれなければ、結構ちゃんと作れるので、是非トライしてみて下さい!