今回は、直接的な釣りの話ではなくて、ハゼを育む自然環境について少しだけ説明してみます。
先ず、ここの海は大きく把握すると、イタリア半島の長靴の東に縦長に横たわる細長い湾、アドリア海の北奥に位置します。
アドリア海は、南北500kmくらいで、南の湾口はイタリアとアルバニアに挟まれた狭い海峡になっておりその幅はわずか50km程度のかなり閉鎖された湾です。この特徴がアルプス(ドロミテ)の影響を受ける気候とヴェネツィアの浅瀬と相まって有名なアックア・アルタと言う異常高潮位の発生原因になっているようです。
その北奥に、リド島(ヴェネツィア市の一部で映画祭で有名)と言う長さ12kmの細長い砂州のような島で遮られたヴェネタ潟と言う40km x 10kmくらいの浅瀬があり、そこがヴェネツィア市全体になります。(正確には一部本土も含みますが)
この潟は、大河ポー河をはじめとするいくつかの河川の堆積物で形成された長大な浅瀬であり、ここに敵から逃れた人々が逃げ込んで、森から大量の木を持ち込んで杭のように浅瀬に打ち込み、その上に家を建てたと言う事です。
このように、かなり閉ざされた淡水が流れ込む海域なので広大な汽水の浅瀬となっており、まさにハゼ天国と言っても良いのではないでしょうか!?
最も初めにこの潟に人々が移り住んだと言われるトルチェッロ島(0.44km2)に行った時の写真から、この潟の一部を垣間見てご覧下さい。
この塔に登ってみました。
向こうに見えるカラフルな家々のある島が漁師町でレース編みで有名なブラーノ島(0.21km2)です。人手の入っていない葦原のようなところが散在しているのが判ると思います。
浅過ぎて船の運航に支障がある為、航路は深く掘った上で判るように木の杭を3本組んで目印になっています。
葦原の浅瀬の際まで行ってみました。潮の影響さえ受けない程の浅瀬なので生き物の気配さえ感じない場所でした。
遠景で見ると、日本でも見かけるような大きな網を上げ下ろしする漁場が残っています。
ヴェネツィアが世界遺産になっているのは、歴史的な建築物だけではなく、この潟の特異性もあるようで、僕がこの地を訪れてみたかったのは、この潟を目で見て釣りをして感じてみたかった訳です。
口で、この潟を味わう方は、また後日まとめてみます。
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