2013/01/19

これが料理と言うものだ!

駅に降り立ちました。
余呉です。
















やっと訪れる事ができました。
















* 昔からの日本伝統のなれ鮓(及びオリジナルの発酵食品)
* 季節の折々の里の旬
これらのみで構成されます。

冬の里の旬は勿論ジビエです!
ご亭主の一番のお薦めは熊のようですが、
猪、鹿、鴨も素晴らしそうでした。
初めての今回は、僕が最も好きな肉である鴨をお願いしていました。

今日使っているものですと、見せて下さいました。















予約をした時点で、少し難色を示されていたように感じていたのですが・・・それは、
琵琶湖ー余呉湖周辺は全面禁猟で、余呉の山中に極く一部獲っても良い場所があるそうです。
食べる当日の朝に獲れたものしか出さないとの事で、猟師さんに依頼されていても、その日に良質の真鴨が獲れるかどうか不確実だそうで、今日は良いのが獲れて良かったですと笑顔で話して下さいました。
他の獣は、猟師が撃獲った時点で電話が入り、現場までご亭主が出向いて、脂質・肉質を見て買い取るか否か決めておられるそうで、解体はご自分でされないと味が変わってしまうので、他人には任せられないそうです。ですから、鴨以外は良い物だけを最も良い状態でストックされていますが、3月中旬頃で全て消費されてしまうそうです。


すっぽん(余呉湖産)の煮こごり
発酵卵
ニシンの飯鮓のゴマ和え


鹿肉のたたき・・・辛味大根で


鯖なれ鮓・・・トマトジュレと削りチーズで


鴨焼きもの(たぶん腿肉)・・・エゴマ蜂蜜、山椒、粒塩


ワカサギ(勿論ここの名物)


鮒鮓・・・蜂蜜をちょっぴり



鴨和えもの(ほとんど生のあっさり酢のもの)


締めの鴨鍋(肝・砂肝・心臓・ささみ・胸肉)
・・・たっぷりの白ねぎで
スープには、首と足の骨があらかじめ入っていて、出汁となっています。
他に、野菜などは一切入りません!
ひたすら鴨の血の味を楽しみます!!
これこそ、僕の望む鴨の味わいです!!!

だから写真はありません。(嘘です:失念)


デザート:鮒鮓の飯を使ったジェラートです。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

朝食
鹿の煮物
蕪鮓の鯖バージョン
いさざ&豆
すっぽんスープの茶碗蒸し
小鮎の一干し
稚鮎甘露煮
写っていませんが、昨夜鍋の後お腹がいっぱいで、
雑炊にしなかったら、ちゃんと朝出して下さいました。


= 参考に一言 =

あえて個々の味の感想は書きません。
どれを取っても完ぺきで、流れも、合わせ方も、これが料理と言うものだと思います。

一つ、事前に気がかりだったのは、なれ鮓にチーズや蜂蜜を合わされている点でした。
日本でもトップに位置する発酵の名手が作ったものなら、シンプルにそのまま味わうべきではないかと思っていたんです。
・・・で、食べて全てが判りました。
発酵(この場合、乳酸発酵ですが)の場合、タンパク質が分解してアミノ酸(あるいはそのオリゴマー)に分解する事で、その旨味を味わうわけですが、若干それを邪魔するのが独特の酸味です。
勿論それも味わいなのですが、トマト、チーズ、蜂蜜が見事にそのマイナスファクターを覆い隠して、本来の旨味を際立たせている訳です。

今回食べなかった、山菜・キノコ・湖魚・すっぽん・他のジビエ達・・・どんな世界がまっているのでしょうか ♪

部屋は簡素で、TVもなにもなく、トイレも廊下です。共同の風呂は1-2人しか入れない普通のものですが、1-2人用の露天風呂の方は、雪におおわれた余呉湖を眺める良いロケーションです。
また泊まらずに、昼の食事のみの予約も可能です。

6 件のコメント:

  1. 徳山鮓…知りませんでした。
    ピケさんがお出向きになられるだけの事はある凄いお店ですね!
    どれも一気に口に放り込んじゃいそうな逸品ですよね~!
    HPみてきました。
    機会あれば出向いてみたいです。

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    1. 元単さん:
      そうでしょ、
      なかなか根性ある仕事をされていますよ!
      それなのに、全くおごったところの無いご亭主とおかみさんも、とても印象が良いです。
      予約される時に、その時の旬を聞いて、自分の好みも伝えれば、親切に相談に乗ってもらえます。

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  2. くーへんです。
    湖西にある、宝船温泉の料理は好きなのですが、
    ピケさんのレポートを見たら、絶対こちらの方が
    美味しそうです!
    いや、美味しいんだと思います。
    二人でも、泊まれるのでしょうか?
    ( ´ ▽ ` )ノ

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    1. くーへんさん:
      発酵学者で食に造詣が深い小泉武夫氏と共同作業で発酵を極められたご亭主です。
      食材も可能な限り最上級の天然物を自ら吟味して入手されています。
      先ず満足されると思います。

      勿論二人で気軽に泊まれますよ、僕らみたいにね ^^
      食べる処は居心地良いですが、部屋はちょっと貧粗です。

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  3. 色々と美味しいものを頂いたみたいですね。
    余呉というとやっぱりワカサギが有名でこちらの新聞にも情報が載るくらいの場所ですが、このような宿屋があるとは思いませんでした。

    記事を読む限り色々な発酵食品があるみたいですね。
    料理の世界が広がりました。

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  4. JDさん:
    いやしん坊夫婦なもんで・・・(汗)

    そうですよね、
    あんなへんぴな処にまさかです。

    でしょ、
    「食」って奥が深いし、
    日本ってええなーって思います。

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