2015/09/28

北琵琶湖酒蔵めぐりの巻

銀週連休の琵琶湖一周:
ぼちぼち紹介するシリーズ第1回

下戸な僕ですが、だんだん日本酒の魅力に憑りつかれ始めました。
滋賀県には小さな酒蔵が50もあるそうです。
今回は、その中で湖北にある3件に行ってきました。

冨田酒造
ご存じケイちゃん御用達(そんなん知らんて!?)
木之本にある創業1534年の老舗中の老舗で、廬山人御用達の有名店
以前冬に行った時
今回は、僕が気になっていたこの銘柄をゲトリました。
渡船と言う、復活品種を使って精米度は77%残しで、米の旨味を活かした味

酸度も、日本酒度も高め:味はまだ飲んでないので、後日報告

吉田酒造
マキノ海津町にひっそりと、創業1877年の地元向けのお酒屋さん
外観が良かったのと、駐車場がここ海津町の湖岸の石積見学にぴったしだったので寄る事に

この店の特徴あるお酒は、10年ものの琥珀色になった香り貴い古酒ですが、残り1本だったのは一緒に旅行した東京から来られた家内の友人に譲りました。

これもまだ飲んでいません。

上原酒造
僕が一番楽しみにしていた創業1860年のお店
かばた(川端)で有名な新旭町針江地区から近く、このお店の酒水にも、かばたの水を使われています。

【この店の酒造りのポリシー】
恵迪吉(富岡鉄斎)
蓋にも印字されていますが、迪(みち)に恵(したがえ)ば吉
『酔う為の酒は作らない、旨い味わう為の酒を創る』

一番の特徴は蔵付酵母のみを使用しており、一切菌の種付けは行わずに自然発酵に任せる本来の山廃仕込みを行っています。
樽は昔のままの木製、絞りは天秤絞りなので収率は低いです。

精米も以前は他の酒蔵と同様、外部に任せていたそうですが、収穫から精米するまでの乾燥期間の指定を守ってもらえなかった事があった為、精米機まで自前で購入し、刈り取った玄米の乾燥具合を見て精米し、精米後の酒米の状態を見極めて、最も適した時期に蒸し作業に入ると言う徹底ぶりだそうです。
一部の酒造りの仲間から、あれは仕事やなくて遊びやーって言われてるとか・・・

でもって、お店に着いてみると『今日は午後から開けます』の張り紙が!
がっくり来て、回りをうろうろしても気配もなし・・・
軽トラでお爺さんがやって来て「あれ今日は締めてるんかー」聞くと小浜から獲れ獲れ鮮魚を売りに来たそうで、この酒蔵は大得意みたいですが、連絡を取る気配もなし。
この店の電話をかけてみても、虚しく戸の向こうで電話が鳴ってます。
店の外に綺麗な簡易トイレがあったので、オシッコして帰ろうと思ったら、野菜を籠に入れた腰の曲がったお婆さんが前を歩いてるし・・・

・・・っと、思ったら「ごめんなー、畑寄ってたら遅なってー」
と言う事で、めでたく中に入る事ができたのでした。 ヤターッ!!!

中に入ると、ス~ッとした香気が漂っており、これが蔵付酵母かなーって感じで、土間の壁際には大きなかばたがあって水がとうとうと流れています。
お婆ちゃんは、獲ってきたミョウガも売り物にするらしく、かばたでせっせと洗って袋詰めにしながら「そこの冷蔵ケースから、好きに試飲してなー」やって

およそ20種類くらいの銘柄があったでしょうか、勝手にちびちび・・・
試飲の銘柄を変える時のお口直しは、かばたの冷たくまろやかな水をすくって・・・なんと贅沢♪

あれもこれも気になりますが、今回目指してたのはこの一品
「山廃 酒母四段仕込」通常の発酵コントロールは、三段に分けて仕込むのですが、更に味を濃厚にしたい為に四段目の仕込みを追加
ただでも倍近くの発酵時間を要する蔵付酵母なのに、更に手をかけています。
でも、種別としては普通酒だそうで、720ml、1300円弱!!!
さっそく口に含むと、とにかく味が濃い!酸が強く、旨味の濃さをすっきり和らげて調和させています!
で、婆ちゃんが「その酒は最後に飲んでなー!他の酒の味がわからんようになるからー!」納得です。
これ以上個性の強い酒はないだろうと言う事で、味が濃過ぎて飲みにくいと言う評価も多いので、心して飲んで下さいね。
赤ワインで言えば、フルボディで渋味も強く濃厚で複雑なって感じなんかな?
ウォッシュタイプのチーズにも負けへんくらいの強さがあると思います。

でも他の銘柄は試飲ボトル以外にたっぷり販売用が置いてあるのに、これは試飲用しかない!
恐る恐る「これが欲しいねんけど・・・」
「蔵にまだ残ってたはずやから出してくるから待ってて」
お婆ちゃんは奥へ奥へと・・・僕もついて行くと、大きな醸造蔵の引き戸を開けて「ここで待ってて」

蔵を開けたとたん、すざまじいまでの薫りが噴出してきました。
蔵の外から内部を覗う
待つ事30分近く・・・え!?ひょっとして売り切れ???
その間に、皆で飲むわ飲むわ・・・試飲やなくて、すっかり出来上がってもうた(笑)
その頃ようやく手押しの買い物バッグに6本ほどストックを入れてお婆ちゃん登場

お酒と、ミョウガを買ったら獲りたてのナスを全部お土産にくださり、意気揚々&ふらふらで引き揚げたのでした。
なんと、銘柄無いやん!
この杜氏さんは、業界の有名人で今年7月に亡くなられたそうです。
このお酒は、亡くなる前に仕込まれた貴重なものとなりました。

えらい長長とすいません

**********************
予告編:今週末は今年初の加古川・・・行きたいなー

8 件のコメント:

  1. いや~~~あ、面白かった♪
    こんなにゆったり飄々と、実は真摯に醸してる蔵が
    湖北に今尚固まってあるんですねえ。
    味わい忘れて酔ってばかりいる身には…チョッと耳が痛かったです。
    小鮎佃煮、鮒鮓、はたまた素朴な地の酸っぱい漬物(つけもん)をアテに、
    温燗でやってみたいもんですね~~え!

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    1. 元単さん:
      だらだら書いてしまいましたが、そう言って頂けると良かったです。
      なかなか実直な蔵ばかりのようですよ。
      是非何かついでの時にでも訪ねてみられては?
      良い酒は、温度によって七変化で楽しめるそうですねー!
      元単さん手作りのアテで一杯やってみたいです♪

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  2. いいですね、酒蔵巡り。

    生駒に住宅に囲まれた(昔は住宅は無かったとか)酒蔵があって、酒屋主催の試飲会に参加してから、辛口の日本酒にはまった時期がありました。
    日本海行ったついでに回ってみようかな・・・・

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    1. セレさん:
      なかなか楽しかったです。

      ”せ・い・ち”の帰りに是非どうぞ・・・デカハゼの刺身で一杯♪

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  3. ピケさん、こんにちは!
    酒好きテツです!(笑)
    前回の七本槍からいよいよシリーズ化ですね(^^)
    大変興味深く楽しく拝見させて頂きました。

    日本酒10年物古酒って凄いですね!!!
    三年物古酒は呑んだ事ありますが10年物とは(笑)

    三件目のお婆さんの蔵の写真良いですねぇ♪
    画像とコメントから脳内で嗅覚が働きましたよ♪
    試飲と言う名の極上飲み会ですね(笑)
    羨ましい!
    また、次回も楽しみにしてます (^^)

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    1. テツさん:
      は~い、こんにちわ!
      きっと見てもらえてると思ってましたー(笑)

      あの・・・今回の琵琶湖では酒蔵の話題はここまでです。
      紹介するのは、また違う話題で・・・(汗)
      すみません

      でも、また面白いお酒見つけたら紹介しますからねー!

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  4. 江戸川乱釣2015年10月1日 0:20

    琵琶湖は、車で何度もぐるぐる回ってますけど、酒蔵廻りとか観光でじっくり訪れたことはありません。滋賀県は国宝の数が全国3位(因みに1位は、我が故郷奈良)の観光県なので、小鮎とか鮒とかモロコとかの釣りとは別に行ってみようかな(笑)。

    鮒ずしとか焼き鯖素麺とか佃煮とか魚系のものは割と食べてるけど、鮒の子まぶしはまだなので、この冬には食べたいなぁ…。

    古酒は美味しいですよね。ヒネ香がちょっと紹興酒っぽいですが、まろやかで飲み易いです。度数高いけど(笑)。ヒネ鯊釣りの景気づけに地元の酒蔵の古酒でも買って飲もうかなっと。

    次回も期待してます。

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    1. 江戸川乱釣さん:
      琵琶湖での釣りもされてるんですね
      一度モロコ釣りをしてみたいなーって前からあこがれてます。

      鮒の子まぶしを地酒で!良いですねー!

      古都奈良にはきっと古くからの良い酒蔵があるんでしょうねー!
      調べてみよーっと♪

      ハゼ記事より日本酒シリーズの方が人気やったりして(汗)

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