2013/02/16

♪ viola odorata ♪

イギリスでは Sweet Violet、日本ではニオイスミレ・・・と呼ばれています。

僕のサイトでは、このニオイスミレの記事には、どなたもコメント頂いた事が無いですが、興味持たれている方がおられたので、久しぶりにまとめてみました。
過去の記事は、記事の一番下にあるラベルの「ニオイスミレ」をクリックして、それだけ見る事ができますのでどうぞ。

その名の通り香りの良い可愛いスミレで、栽培の歴史も古く植物学的には主に標題に挙げた1種類のスミレの花色の異なる突然変異種を選別し、交配して様々な品種が作り出されてきました。
イギリス、フランス、イタリア、ロシアあたりで熱心な栽培家・愛好家により多品種が生まれており、現存していない品種を入れれば、100を超える品種があったようです。
ただ、現在は品種名と実物の混同、また実生による自然交配や突然変異によりかなりの混乱がおきているように見受けられます。
だから品種名はあまり気にせず、育ててみて気に入った花色のものだけ数種類を継続して育てています。
今までにおよそ30種くらいを育てましたが、消えてしまったものや、好みでないので止めてしまったものが数多いですが、無くなったと思っていたものが庭のあちこちで出てきたりして、これも楽しいものです。
一番好きな "St. Helena" は、おとなしい感じの綺麗なブルーですが、昨年の夏に最後の一株が消えてしまいました。

僕は、学生の頃からスミレと言う花が好きで、最初は日本の野生種を色々栽培していましたが、『やはり野におけスミレかな』の通り、野生種はそれに適した自然環境の中で育ってこそ、本当の美しさを発揮するようです。

だんだんと野生種の栽培を止めていく中で、野生種とは異なるニオイスミレと言う園芸種に出会い、その宝石のような可愛さに魅了されてしまいました。

最初は、身近な園芸店や国内のネットで手に入る一般的なものを3-4種栽培していましたが、ネット検索で品種の多様性を知り手を広げる事になりました。
最初に知識を得た、最も総合的にニオイスミレを扱っていると思われるサイトです。
古い現存しない品種についても説明しています。
また詳しい育て方も載っています。
American Violet Society

イタリアでも、独自の発展があったようですが、僕が探した限りではここ "Susigarden" しか見つかりませんでした。
サイトに入ったら、一番上の PIANTE を開き、開いたページの Categoriaのところでviole anticheを選ぶと、ここが扱っている品種の写真を見る事ができます。
ここでは、娘がイタリアに旅行した時に苗を3品種買ってきてもらいました。
土の付いた苗は国内に持ちこめないので、お店にお願いして完全に土を洗い流して、濡らした新聞紙で根をくるみ、ビニール袋に入れて持ち帰ってもらいましたが、旅行中に蒸れて瀕死の状態からなんとか復活してくれました。その中でお気に入りで今も庭で育っているのがこの品種です。

"Giulietto Fanin"
かなり大型の品種で、葉にも茎にも毛が多く、大柄ですが強健で育て易い品種です。
僕が調べた限りでは、"Fair Oaks" と言う品種と酷似しているように思います。
実際の色は、写真よりもう少し淡くて桃色味がかっており、弁の幅が広くてゆったりした感じで喉のところの紫条が特徴的です。












フランスのサイト
とても可愛らしい雰囲気のサイトで、Toulouse の町で開かれるスミレ祭の様子なども紹介されています。

イギリスの著名な栽培家 "C.W. Groves " さんのナーセリーのサイト
とても親切で優しい方で、種を譲って欲しいと手紙を出したところ、沢山の品種の種をどっさり送って下さいました。
アニーと言う品種は、この中の一つです。

他には、日本スミレ研究会と言う愛好団体があり、ここでも毎年多品種のスミレの種を会員どうしで譲り合うシステムがあり、一時入会して利用させて頂きました。
残念ながら東京に本部がある為、例会に出席する事ができず、今は脱会していますが、非常に良い団体だと思います。

最後に一つ面白い品種です。
"Crepuscule" フランス語で黄昏(たそがれ)
名前の通り、咲いた時からしおれるまで、オレンジから桃紫色へと色が変化して行きます。
他にも "Phyl Dove" と言う品種も、色が変化しますが、こちらは藤紫色から始まり、淡オレンジに変化します。こちらは、不稔性が強く僕のところではまだ結実した事がありませんが、これも C. W. Groves さんから送って頂いた種から育てたので、上手に育てれば結実するようです。

"Crepuscule" 咲き始め















咲いて2週間

















あと、2週間くらいたつと、ほとんど黄味が無くなります。
うまく撮れれば、後日写真を追加します。
(花の色を少しでも正確に再現する為に、全体の色合いを調整しています。この為、葉の色は逆に正しい元の色が出ていません。)

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ニオイスミレに関する事で何かありましたら、ご遠慮なくコメントして下さい。判る範囲で返事させて頂きます。
また、過去に取り挙げた品種も含めて、種を希望の方があれば無料で差し上げますが、ニオイスミレの種は非常に休眠が強く、一定期間の低温期がなければ発芽せず、実生の困難な種の1種です。また希望を聞いて1-2年後にしか送れない事も多々ありますのでご了解下さい。

7 件のコメント:

  1. ニオイスミレまとめて頂いてありがとうございます。
    野生種からニオイスミレに変更していった経緯が岡田さんらしい(たぶん^^)です。
    以前の記事ですが 葉っぱをゆでると とろとろになるとは・・・知りませんでした。

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    1. volさん:
      なかなか的を得た記事って難しいものですね。
      今もやっぱし、野山で出会う野生のが一番素敵だと感じます。

      エヘヘ・・・食い意地がはってて、何でも食べちゃいます ^^;

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  2. ばんざいうさぎ2013年2月17日 0:17

    こんばんわ、ばんざいうさぎです。さっそくニオイスミレについてのお話ありがとうございました。日本のネット環境では確かな情報と言うのがあまりなくて困っていたので助かります。

    こちらのブログのお話、最近の物だけですが読ませていただきました。お食事にいらっしゃったお店で使われている器がどこも素敵ですね。ご紹介されているスリップウェアのホームページも素敵。
    私は趣味で陶芸をしていて20年くらいになります。窯は持っておりませんが自由に作陶出来るサークルなので(先生がおりません)仲間でいろいろと意見交換しながら作るのは楽しいものです。電動ロクロ嫌いでマイペース。今の興味は洋食器の形で織部等の釉薬を使っての作品づくり。無心になりながら土を触っていると時が過ぎるのも忘れてしまいます。

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    1. ばんざいうさぎさん:
      そうでしょ!日本のサイトには意外にニオイスミレをきちっと説明したのが無いみたいです。(写真は結構あるのにね)

      へーっ!!!陶芸されてるんですね。
      最近かなりサボってますが、やる気はあるんですよ。
      次はいつになるか判りませんが、また出来たらご紹介しますね。
      ばんざいうさぎさんもブログ作られたら良いのになー♪

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  3.  我が家の種から育てた黄昏ちゃんも、そろそろ咲き出しました
    なんとも言い難い微妙な色合いで、一番好きなスミレです。

     我が家に無い、ニオイスミレさんが・・・色々と
    種が結実しましたら、譲って頂けませんでしょうか?

      "C.W. Groves " さんのナーセリー
    一度は行ってみたい。
    3ヶ月程、イギリスに滞在して、種を取って持って帰りたいです。

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    1. 琥珀猫太郎さん:
      初めまして!投稿有難うございます。
      そうですね、本当に黄昏みたいに日々色合いが変化して楽しいですね。

      そちらのブログも見せて頂きましたが、スミレお好きなんですね。
      勿論、種ができたら送らせて頂きます。
      コメント欄に、住所氏名を記入しておいて下さい。公開はせずに破棄しますのでご安心下さいね!
      忘れた頃に到着なんてこともあるかもしれないので、その点はご容赦を(笑)

      そうですよね!ここのナーセリーはのどなか田舎にあって、美味しそうなケーキとかのあるカフェも併設されているみたいで、一度訪れてみたいところです。

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    2. 琥珀猫太郎さん:
      種ご希望の件、了解しました!
      とりあえず、もう少し待っていて下さいね。
      また連絡差し上げます。

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